テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その2


テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その1

今日は、バインチュン(bánh chưng)にまつわる伝説を紹介します。

雄王6世(フン王6世: Vua Hùng thứ 6)には22人の息子がいたが、どの子どもに王位を継承させるか決めかね、祭礼の日までに最も美味しい料理を作った者に継がせることにした。他の王子たち方々から貴重な食材を集めた。

18番目の王子、ラン・リエウ(Lang Liêu, Lang LèoあるいはTiết Liêuとも言う。)は地方に行き、自分の田畑で収穫した米を使って餅を作ることにした。

王に料理を献上する日、他の王子たちは海の幸、山の幸を持参した。

18番目の王子は天を表した丸い餅「バインザイ(bánh giầy)」と、大地を表した「バインチュン(bánh chưng)」を持参した。すべての人が栽培している米を使ったこの美味しい料理に王はたいそう感動し、18番目の王子に王位を譲った。

参考:ファン・ゴク・リエン監修 今井昭夫監訳『ベトナムの歴史 (世界の教科書シリーズ)』2008 明石書店

また、次のようなエピソードが追加されることもあります。

18番目の王子は他の息子達と違って家来もおらず、どこへ探しに行ったらいいかも分からなかったため、宮殿に留まり、毎日悩んでいた。

ある日、王子の夢の中に神様が現れ、『この世で最も尊い食べ物は米だ。人々はみな、米によって生かされているのだから。もち米で、大地を表す四角い餅「バインチュン」と、天を象徴する丸い餅「バインザイ」を作りなさい。葉でくるみ、中にはあんを入れるのです。これは、親が子どもを守る愛を意味する』。

かつて、ベトナムは中華思想の影響を受け、世界は四角であるという概念を持っていました。また、天を表すバインザイ(bánh giầy)もバインチュン(bánh chưng)とセットでお正月やお祝いの時によく食べられます。

バインザイ(bánh giầy)
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P.S.テトといえばバインチュン(bánh chưng)。


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