カテゴリー別アーカイブ: バッチャン(Bát Tràng)

陶器の村バッチャンの話

今日は、陶器生産で有名なバッチャンについて書きます。

バッチャンはBát Tràngと表記します。Bátは「鉢」、Tràngは「場」という漢字にそれぞれ対応します。要するに「鉢場」です。

バッチャンはハノイの中心部から北へ行ったところにあります。ハノイからも比較的行きやすいので、観光客の姿もちらほら見られる村です。

このブログの背景写真は、私がバッチャン村で道に迷った時に撮影したものです。左下の野ざらしになっているバッチャン焼が見えますでしょうか。

バッチャン村の陶器生産の歴史は古く、かつては、日本の茶人たちにバッチャン地方で生産される陶器を安南焼(あんなんやき)として茶会で用いられることもありました。

さらには、イスラーム圏のモスクの装飾に使われたりもしていました。

グローバル陶器ですねー。

最早、ベトナム北部において陶器村といえばバッチャン村と言って良いほどに有名なバッチャンですが、実は隣のキムラン(Kim Lan)村等近隣地域でも陶器生産の歴史があります。

では、何故バッチャン村が最も有名になったのでしょうか。その要因の1つはバッチャン村の位置にあります。

このブログの背景画像の薄茶色の部分は紅河(Sông Hồng)の水です。バッチャン村で道に迷ってひたすら歩いていたところ、目の前にこの紅河が現れ、あっ行き止まりだ。と思いました。

ちなみにハノイ周辺は紅河デルタ地帯です。ハノイ市内は湖が多いのですが、これは紅河の水がしみだしているのです。

バッチャン村はこの紅河に面しています。紅河に近いことが陶器輸出において大きなアドバンテージとなり、バッチャン村の陶器生産は発展していったのです。

P.S.卒論つらい。