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ヌックマムとナンプラーは微妙に違うという話

ところで、そもそもヌックマムについてご存知でしょうか。

ヌックマムはnước mắmというベトナムの魚醤系の液体調味料です。魚と塩を発酵させて、その液体部分を抽出したものがnước mắmです。日本料理に醤油が欠かせないのと同じくらいベトナム料理にはヌックマムは欠かせません。日本だとニョクマムと書かれることもあります。

しかし、ヌックマムを知らない人にヌックマムをどう説明するかというのはなかなか難しい問題です。

最近は、タイの調味料、ナンプラー(น้ำปลา)の知名度が上がってきているので、「ナンプラーのような調味料」という説明が、一番話が早いように思います。

では、逆に「ヌックマムって要はナンプラーでしょ。」と聞かれたらイエスと答えて良いのでしょうか。

実は、ヌックマムとナンプラーは共に魚醤系の調味料ですが、微妙に違いがあります。

ヌックマムとナンプラーでは、ヌックマムの方が、発酵度合いが低く、魚の香りがより強いものが多いとされています。

また、ヌックマムの方が、塩味が弱いですが、塩分濃度は高いです。

他に、アジアの各地域には次のような魚醤があります。

フィリピン パティス (patis)
カンボジア トゥック・トレイ (ទឹកត្រី)
ビルマ ンガンピャーイェー(ငံပြာရည် ビルマ語は表示できないんですかね。)
インドネシア ケチャップ・イカン (kecap ikan)
韓国・北朝鮮 エクチョッ(액젓)

発酵食品文化の世界は奥深いですね。

P.S.ベトナムにもベトナムの醤油があります。