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ベトナムでよく見る果物の話。その5

ベトナムでよく見る果物の話。その1
ベトナムでよく見る果物の話。その2
ベトナムでよく見る果物の話。その3
ベトナムでよく見る果物の話。その4

引き続きベトナムでよく見る果物について紹介していきます。

○hồng xiêm サポジラ
hồngは柿という意味です。実際、種や見た目が柿に似ています。また、xiêmはシャム、つまりタイという意味です。タイから来た柿に似た果物ということでこの名になったそうです。lồng mứt、xa pô chê、xa bô chêともいわれ、北部より南部でよく見られる果物です。濃厚な味がします。

hồng xiêm
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○lựu ザクロ
thạch lựuともいいます。「石榴」ということですね。ザクロというと、真っ赤な果物のイメージがありますが、ベトナムでよく見たのは白っぽい小ぶりのザクロでした。

lựu
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○roi レンブ/フトモモ(ローズアップル)/マレーフトモモ
gioi、doiとも書きます。レンブ(蓮霧)は花が白いためroi hoa trắngとも言われます。また、南部ではレンブをmậnとも呼びます。フトモモは花が黄色いため、roi hoa vàngともいいます。マレーフトモモは花が赤いため、roi hoa đỏと呼ばれます。

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○khế スターフルーツ
輪切りにして、星形にした形が有名ですが、縦に切った方がジューシーさを味わえます。梨のようなすかんぽ(スイバ)のような味がします。

スターフルーツの切り方

○lê 梨
日本の梨の丸形をすこし変形させたような形をしています。

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P.S.オリンピック~。

ベトナムでよく見る果物の話。その4

ベトナムでよく見る果物の話。その1
ベトナムでよく見る果物の話。その2
ベトナムでよく見る果物の話。その3

引き続きベトナムでよく見る果物について紹介します。今日は、dứa、dừa、dưa hấuについて紹介していきます。

この3つ綴りがよく似ているので覚えにくいことこの上ないです。

○dứa パイナップル
thơm、khớmとも言われます。

パイナップルの剥き方

○dừa ココナッツ
ココナッツジュース(nước dừa)やナタデココ(thạch dừa)にもよく利用されます。また、エビのココナッツ蒸し(tôm hấp nước dừa)も有名です。
nước dừa
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thạch dừa
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エビのココナッツ蒸し(tôm hấp nước dừa)
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○dưa hấu スイカ
ベトナムでもスイカはよく見ます。赤色は縁起が良い色と考えられているので、旧正月に家に飾られます。dưaには瓜という意味があり、dưa chuộtはきゅうり、dưa nứt、dưa hồng、dưa bở、dưa tâyは全てメロンという意味です。

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P.S.ナタデココ好き。

ベトナムでよく見る果物の話。その3

ベトナムでよく見る果物の話。その1
ベトナムでよく見る果物の話。その2

今日も引き続きベトナムでよく見る果物の紹介をしていきます。

○dâu tây いちご
tây(西洋の)に対してdâu taはホワイトマルべりーや真桑と呼ばれる桑の一種を示します。dâu taはdâu trắng、dâu tằmとも呼ばれます。
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○đào もも
quất同様、旧正月に飾られる植物です。魔よけの意味があります。また、ベトナム北部のSapa(サパ)地方では、日本の桃より小型で青味がかった色の桃が売られています。日本の桃も美味しいですが、Sapaの桃もさわやかな味わいでまた違った美味しさがあります。
Sapa等でよく見られる桃
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○nho ぶどう
ぶどうもベトナムでよく見かけます。

○xoài マンゴー
ベトナムでは完熟したマンゴー(xoài vàng)だけでなくまだ青いマンゴー(xoài xanh)も食べます。青いマンゴーも完熟マンゴーと違った美味しさがあります。塩や唐辛子の粉末をつけて食べることもあります。
唐辛子をつけたマンゴー
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P.S.青マンゴーは青臭いのがクセになって好き派と青臭いのが嫌い派がいる。

ベトナムでよく見る果物の話。その2

ベトナムでよく見る果物の話。その1

 

昨日に引き続きベトナムでよく見る果物の紹介をします。今日は柑橘系のものを中心に紹介します。

○cam オレンジ
nước camはオレンジジュースを指します。また、日本のみかんに似た皮がやや緑の柑橘類もcamといいます。cam sànhやcam Vinhなどの種類があります。

cam sành
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cam Vinh
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○quất キンカンの一種

「キンカン」と訳されることもありますが、正確には「キンカンの一種」です。キンカンはkim quấtといいます。子孫繁栄(quấtは子どもの象徴)と金運上昇(黄色がお金に似ている)を願って旧正月には必ずquấtの木を飾ります。

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○Quýt hồng マンダリンオレンジ
温州みかん(cam ngọt Ôn Châu)の仲間です。ベトナム北部ではあまり見かけませんが、メコンデルタ地方では栽培されているそうです。
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photo credit: frans16611 via photopin cc

 

○chanh レモン・ライム等
Chanh taとchanh tâyに分けられます。Chanh taは直径2.5cmから5cmのライムに似た柑橘系の果実で、フォーなどのベトナム料理に添えられたりします。chanh tâyはレモンです。
以前にも書きましたが、ベトナム語ではta(私たちの)とtây(西洋の・外来の)というカテゴリー分けがされることがしばしばあります。
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photo credit: Mr & Mrs Stickyfingers via photopin cc

 
P.S.chanh ta画像探すの難しい。

ベトナムでよく見る果物の話。その1

 

ベトナムは果物の種類が日本と比べ豊富です。日本に無い果物も数多くあります。という訳で、どのような果物があるのか整理してみました。

○bơ アボカド
日本だと野菜だと思われがちですが果物です。アボカドスムージー(sinh tố bơ)は大抵のカフェのメニューにあります。ベトナム人に日本だとアボカドは野菜のように扱われるという話をすると「アボカドはくだものでしょー!」という感じで結構盛り上がります。

sinh tố bơ
sinh tố bơ
○bưởi ザボン(ブンタン・ボンタン)
Pomeloと呼ぶときもあります。グレープフルーツや夏みかん等に似た直径15cm~25cmの大きな柑橘類です。厚い皮が特徴です。テトのお供えものとして飾られることもあります。bưởi の発音をしっかりやらないとbuồiとなって放送禁止用語になるので発音の際は気を付けなければいけません。

bưởi
bưởi

 

○chanh leo パッションフルーツ
chanh dâyともいいます。パッションフルーツのパッション(passion)は「情熱」ではなくキリストの「受難」のpassionだそうです。実を2等分してスプーンですくってたべたり、スムージーにしたりします。

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photo credit: Vic Lic via photopin cc

 

○chuối バナナ
ベトナムでは短くて丸い形をしたものをよく見ます。細長い種類もあるそうです。フィリピンやタイではバナナ春巻きをよく見かけますが、ベトナムではほとんど見たことがありません。
chuối
chuối

 

○đu đủ パパイヤ
パパイヤもスムージーにして飲んだりします。青いパパイヤはサラダに使われることもあります。ちなみに、「青いパパイヤの香り(Mùi đu đủ xanh)」という有名な映画もあります。この映画の監督はトラン・アン・ユン(Trần Anh Hùng)監督で、映画ノルウェイの森の監督でもあります。

青パパイヤサラダ(nộm đu đủ)
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P.S.日本の果物は高い。

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その4

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その1

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その2

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その3

昨日はバインチュン(bánh chưng)の作り方について書きました。バインチュンは12時間~14時間大鍋で大量に茹でて作ります。

 

長時間茹でることによって内部を完全殺菌するのです。また、もち米の粘りが何層にも重ねられた葉と葉の間にしみだし、外部の空気を遮断することで長期保存を可能にします。

 

恐らく、厚い脂肪がついた豚肉を使うのは、脂身によって内部の温度を上げるという目的があるのではないでしょうか。

 

バインチュンの内部

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ねばねば~

このバインチュン、包丁で切るともち米のネバネバが刃について始末の悪いことになります。

バインチュンはバインチュンを縛っているヒモを使って切るのです。

P.S.テトはバインチュン。

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その3

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その1

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その2

今日は、バインチュン(bánh chưng)の作り方を紹介します。

材料
○ラーゾン(lá dong)という葉
ウコン科の植物の葉です。バナナの葉に似ています。バインチュンを包むために使います。

○バインチュンを縛るためのヒモ
cây lá giangという植物を使います。竹ひごを平たく柔らかくしたようなヒモです。

○もち米(gạo nếp)

○緑豆(đỗ xanh)

○豚肉(thịt lợn)
犬肉や鶏肉が使われる場合もあるそうです。厚い脂肪がついたものを使います。

○塩(muối)

○胡椒(hạt tiêu)

作り方
・ラーゾンをよく洗う
・もち米を水に2時間浸す
・緑豆を水に6時間浸す
・豚肉に胡椒をまぶす
・緑豆をつぶしたもので豚肉をくるむ…a
・aが米で包まれるように葉の上に置く
・葉で何重にも包む
・ヒモで縛る
・鍋で12時間~14時間煮る

中部・南部で食べられるバインテト(bánh tết)は中身にバナナを使い、周りの葉もバナナの葉を使ったりするそうです。

P.S.テトといえばバインチュン。

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その2

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その1

今日は、バインチュン(bánh chưng)にまつわる伝説を紹介します。

雄王6世(フン王6世: Vua Hùng thứ 6)には22人の息子がいたが、どの子どもに王位を継承させるか決めかね、祭礼の日までに最も美味しい料理を作った者に継がせることにした。他の王子たち方々から貴重な食材を集めた。

18番目の王子、ラン・リエウ(Lang Liêu, Lang LèoあるいはTiết Liêuとも言う。)は地方に行き、自分の田畑で収穫した米を使って餅を作ることにした。

王に料理を献上する日、他の王子たちは海の幸、山の幸を持参した。

18番目の王子は天を表した丸い餅「バインザイ(bánh giầy)」と、大地を表した「バインチュン(bánh chưng)」を持参した。すべての人が栽培している米を使ったこの美味しい料理に王はたいそう感動し、18番目の王子に王位を譲った。

参考:ファン・ゴク・リエン監修 今井昭夫監訳『ベトナムの歴史 (世界の教科書シリーズ)』2008 明石書店

また、次のようなエピソードが追加されることもあります。

18番目の王子は他の息子達と違って家来もおらず、どこへ探しに行ったらいいかも分からなかったため、宮殿に留まり、毎日悩んでいた。

ある日、王子の夢の中に神様が現れ、『この世で最も尊い食べ物は米だ。人々はみな、米によって生かされているのだから。もち米で、大地を表す四角い餅「バインチュン」と、天を象徴する丸い餅「バインザイ」を作りなさい。葉でくるみ、中にはあんを入れるのです。これは、親が子どもを守る愛を意味する』。

かつて、ベトナムは中華思想の影響を受け、世界は四角であるという概念を持っていました。また、天を表すバインザイ(bánh giầy)もバインチュン(bánh chưng)とセットでお正月やお祝いの時によく食べられます。

バインザイ(bánh giầy)
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P.S.テトといえばバインチュン(bánh chưng)。

テトといえばバインチュン(bánh chưng)ですという話。その1

テトといえばバインチュン(bánh chưng)です。

バインチュンとは、旧正月には欠かせない食べ物で、もち米の中に厚い脂肪のついた豚肉や緑豆などを入れ、lá dong(ラーゾン)と呼ばれる葉で四角く包み、12時間~14時間茹でて作ります。

bánhは米や小麦などの粉で作った餅やケーキ、お菓子などを意味し、chưngは蒸すという意味です。

南部や中部ではバインテト(bánh tét)やバインドン(bánh đòn)と呼ばれ、円柱形をしています。

味は……取り立てておいしくはない……です……。薄味です。

ただ、フライパンに油をひいてバインチュン(bánh chưng)を焼くor揚げたバインチュンザン(bánh chưng rán)はおいしいという話をよく聞きます。お醤油をつけると良いらしいです。

焼いた場合
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四角いバインチュン

円柱形

P.S.とにもかくにもテトといえばバインチュン(bánh chưng)です。

ベトナム語でクロワッサンはbánh sừng bò(牛の角パン)という話

 

ご存知の通り、パンの一種、クロワッサン(croissant)はフランス語で三日月という意味です。つまり、三日月パンです。

ベトナム語では、一般にクロワッサンのことをbánh sừng bòと言います。sừngは角、bòは牛という意味です。牛の角パンですね。恐らく、牛の角に形が似ているためこの名がついたのだと思います。

また、bánh sừng trâuと表現されることもあります。trâuは水牛です。水牛の角パンです。

更には、bánh con cuaと言われることもあるそうです。con cuaはカニです。かにパン。(V) `・ω・(V)

≧[゚▽゚]≦

北京語では「羊角麺包」と言うそうです。羊の角パンです。広東語では「牛角包」と言うそうです。ベトナムと同じく牛の角パンですね。

インドネシア語やマレーシア語では「三日月パン」という言い方がされているようです。

なぜ、ベトナムでは牛の角パンやカニパンと言われるようになったのでしょうか。ベトナム人が勝手に名付けたのかそれとも北京語や広東語の影響を受けたのか……。ミステリーですね。

P.S.クロワッサン好きです。特にアンチョビ入りクロワッサンが好きです。あと、ジョアンというパン屋さんのチョコクロワッサンも良いです。